撮影技術Point3 照りのハイライトに調子がある写真か否か?
食物・料理の照りをいかに表現するかは、料理を撮影する写真家にとってはよくよく考えなければいけない問題であり、技術的な課題です。いわゆるシズル感を表現するにあたって、照り部分の質感描写は非常に重要な役割を演じます。
上の2点の写真を比較してください。先に述べた立体感・コントラストはほぼ同じで良好といっていいでしょう。しかし、ソースの照りをご覧下さい。違いは一目瞭然で、最初の写真の照り部分には一本調子で全くといっていいほどグラデーションがありません。一方下の写真では、照り部分の調子がハイライトから中間調そしてシャドー部へと微妙に連続的に変化して、ソースの質感描写に成功しています。
最近では、照明機材としてボックスライトを多用する傾向があります。ロケなどには手軽で良い機材なのですが、注意しないとこのような結果を招いてしまいます。ちなみに弊社では、モデル撮影を除いて料理・商品撮影でのボックスライトの使用は一切禁止です。